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姫野さんの営業は見返りを求めない。
常に目の前の人を幸せにすることを意識している。
そのスタンスを貫くことが結果を生んでいる。

そもそも選ぶのはお客様

「私は感謝されたいとも思ってないんですよ。自分にできることしかできないから」
姫野さんは自分の営業スタイルを”見返りを求めない”だと言い切る。
「でも、やるだけやったうえでお客様に聞くと、結果的に喜ばれていますね」
自信が伝わってくる。

「期待しません。自分以外の相手がどう思うのかはコントロールできないから」
もう少し詳しく聞きたい。
「”相手にこう思ってほしい” “認めてほしい” そんな想いで接客していくと、選ばれなかったときに言い訳が出ます。”お客様が理解してくれなかったから” みたいに。お客様をどうすれば幸せにできたかなと、失敗した経験を次に活かすような考え方にしないとね」

選ばれなかった理由は、お客様によって違う。
自己分析が必要だ。
ただ前提として、選ぶ権利がお客様にあることを忘れてはいけない。

姫野さん写真

お客様の欲しい未来を叶える

「お客様が叶えたい理想の未来を自分の商品やサービスで解決できるなら、お客様は買わない理由がなくなるし、値引きに頼らないで済みます。だから、お客様が欲しい未来をよく知ることが大事です」
そこがないと自分にできることや提供できるものがわからない。

「なぜ結婚式をしようと思ったのですか。結婚式を終えた後、どんな夫婦になっていたいですか。こういう具体的な質問を通じてお客様と想いを共有していきます」
購入を検討する理由や理想の未来像を具体的な言葉で尋ねている。
「そのあと、私はこれは得意です。必要であれば悩みを解決できますよ、と言います。その上で私以外の人から買うほうが良ければ別の人を紹介します」
どこまでも顧客中心だ。
「だから営業は楽しいなって思います」

見返りを求めると取れない

見返りを求めない境地に達したのは、何かきっかけがあったのだろうか。
「見返りを求めると”やってあげたのに”ってなる」
会社員時代の姫野さんは、あれだけやったのに、と思うこともあった。
「それってとても傲慢なことで、”与える行動をしたかったのは誰?”という話です」
数字を見ているとそういう言葉が出る。
どうすれば喜ばれるのかを考えて、今できることをするほうがいい。

「会社員時代、業績が低迷した時は”何のために”がなかったですね」
会社から数字を挙げて来いと言われる。
成果のために必死になる。
値引きでも何でもした。
「お客様と会社の狭間で悩むことが増えていました。今は自分で判断しながら活動しているので、見返りを求めない、見返りを求めるくらいだったら接客はしない、というふうに決めています」

姫野さん写真

いとも簡単に難しいことを言っている。
今、フリーランスだ。
お金をもらえないと続けられない立場だ。
にも関わらず、やりたいのはお客さんだからお客さんに決めてもらいたいという。
逆行している。
それなのにちゃんとペイしている。
難しいを通り越して、不思議ですらある。
「見返りを求めると取れないですね。会社員時代は4割だった決定率が今は9割超えてます」

営業に要らないものは売り込み提案

「お客様に”姫野さんは、本当によく聞いてくれる。本当の想いに気づかせてくれる”とよく言われます」
姫野さんは本当に聴くのが得意だ。

「買う前の段階が一番大切。“こうすれば理想の未来が手に入る”という気づきがお客様自身に生まれなければダメ」
営業職がどんな提案をしようと、本人が自分の言葉で具現化していかないと意味が無い。
「自分の欲しかったものに自ら気づいてもらえるアプローチをしない限り、営業職は単なる”自分が売りたいものを提案する人”ですよ」
それで終わりたくない。
問題解決してあげたい。
悩みを聴いてあげたい。
姫野さんはそう思っている。
だからたくさん聴く。

物足りない、もう少し聴きたい、と思わせる

姫野さんが聴くモードでいても話したがらない人もいる。
「そういう場合は無理に聞かないですね。また、すぐに答えの出ないこともあると思うので、”家に帰ってゆっくり考えてくださいね”と伝えます」
すると、逆にお客さんから心を開いてくれる。
「あとになって”あのとき言っていたことってこういうことですね”と言われたりします」
ある程度の余韻と余白を残す。
満腹にしない。
“物足りない、もう少し聴きたい”と感じてもらうためには、お客さんから聞いてくるようにする。
「”私に話さなくてもいいから考えてみて”というスタンスで問いかけてみるほうがいいこともありますね」

姫野さん写真

心を開かない人はたくさんいる。
言いにくいことを言わない人もいる。
お金がかかわる話題は特にそうだ。
「”そういう悩みはみなさんありますよ”とフォローをし、それでどう感じるかはお客様次第。購入する意思や判断はお客様にもってもらわないといけないので、”そこは考えてね”というスタンスです。そういう意味ではドライですね」
関わりたくてもこれ以上関わらないという線引きがある。

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姫野 有美(ひめの あみ)さん
1982年生まれ。結婚式場所属のウェディングプランナーをはじめ、これまでにいくつかのお仕事に就業されています。2013年10月にフリーランスとして独立し、nanairo-weddingを立ち上げました。フリーランスのプランナーだからこそできる自由な発想とスタイルを強みに結婚式を提案しています。また、toi styleの商号で営業職のコーチとしてもご活躍されています。

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