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営業の職務経歴書の書き方とポイントを、採用からマネジメントまでしている営業所長が伝授。人事担当者に「売上に貢献できる人材」と判断してもらうには、どのような職務経歴書がよいのか?自己のアピールポイントや実績のまとめ方など作成ポイントを徹底解説!

お話を伺った方:佐藤 智洋(さとう ともひろ)さん
現在、ジブラルタ生命保険株式会社の営業所長として17名のメンバーをまとめています。前職は紳士服販売のAOKIホールディングスで、11年間勤務しました。傘下のORIHICA(オリヒカ)という業態にて30代前半で営業部長となり、在籍中に全国100店舗規模まで拡大しました。35歳の時に現職に転じました。営業部門の責任者として会社の業績向上に貢献してきたことはもちろん、採用や人材マネジメントにも精通しています。

営業職に求められる能力と、そのPR方法

営業職として求められる能力は多岐にわたります。しかしながら、転職活動の際に人事担当者が見ているのは、能力というより成功体験を持っているかどうかということです。人は過去に起こした行動を繰り返すと言われており、過去に成功した経験がある人は成功する可能性が高いからです。これまでの営業職としての職務経歴の中で成功した経験を示すことが意外と重要なポイントになると思います。

その成功体験をPRする方法としては、「状況」「その時の仕事」「自発的なアクション」「結果」が具体的に分かると、自分に何ができるのか面接官に伝わりやすくなります。具体的であることと、客観的な事実をきちんと整理して述べることがとりわけ大事なポイントになります。

よくある刺さらない職務経歴書

曖昧な表現が多いものは刺さらないことが多いです。規模や具体的な成果も曖昧になってしまうためです。その結果、人事担当としては「で、結局この人はウチで何ができるんだろう???」とセールスポイントが見えなくなります。職務経歴書を見る側は、業界や業種が違う場合もあるので、できるだけ具体的に数値化すると良いです。「通期売上いくら」といった数値はもちろん、「何人中の何番」「前年比何割増加」など比較のできる数値を示すことも効果的です。

ほかにもいくつか具体的に例を挙げてみます。

枚数が多い

枚数が多い人は余計なことまで記載している人がほとんどです。薄い内容まで膨らませて書いているので、面接前にハードルが上がってしまい、実際に話すと内容が物足りないケースが非常に多いです。会社側が求めているのはどんな人か、業界や業種によって求められるものは何かを自分なりに絞り込み、アピールポイントに盛り込めたら良いです。

文字が小さく、文字数が多い

実際にはそこまで細かく読み込むことをしないと思います。見た目から読むことにパワーを使いそうなので、マイナススタートになります。結論を明確に記載することが、この人は論理的に物事を考えることができる人なんだと感じることができます。

経歴ごとのムラ

2社以上ある方で、直近の会社に関しては詳しく記載があったとして、その前の内容が少ない場合があります。転職を重ねている方は、転職をする度にスキルを伸ばしていっているということが分かると計画性のある人と捉えますが、全く違う分野で転職を重ねている人は、転職理由等に疑いを感じてしまいます。

これまでにあったビックリ職務経歴書

良いビックリの例

具体的に数値化されている人は分かりやすくなりますし、質問をして掘り下げていくにしても、面接官としては良い部分を引き出しやすくなります。どの数字を拾うかは問題ではなく、自分がアピールできる、成果として感じられることを記載することで、たとえ自分がすべてを実行したことではなくとも、良い印象につながります。

悪いビックリの例

履歴書のような配属部署だけの記載の人はどうしようもないと思いました。質問するのも面倒になるので、面接自体が消化試合のようになってしまいます。経歴に誇れる部分がないと感じているからきちんと主張できないのかもしれませんが、そういう方は自己肯定感が低く、物事をネガティブに捉えやすいのではないかと思います。自分をアピールしないことが謙虚に映ることはまずあり得ないのです。

書き方のポイント1:職務内容は分かりやすさが一番

どんなことをやっているのかを端的に表現してもらえると助かります。逆に部署の名前と同じような内容を記載されると分かりにくくなります。
例えば「どういった顧客に」「どういったモノを」「どのように」提供しているのかなど、5W1Hのような項目立てを意識して内容をまとめて示すと分かりやすいです。

書き方のポイント2:実績は規模と順位を数値化して表現

「1位になりました」といっても、どのくらいの規模の組織の中での1位なのかを質問してしまいます。その結果、小規模の中での高順位と言われると、逆効果でマイナスになってしまいます。最初から具体的にどのくらいの規模で、対象人数がどのくらいの中で、立ち位置はどのくらいなのかを明記してもらった方が印象は良いです。

書き方のポイント3:自己PRはポイントとなる項目を具体的に示す

自己PRは、先述の内容と重なりますが、「状況」「その時の仕事」「自発的なアクション」「結果」を具体的に表現することです。さらにプラスするとすれば、いま面接を受けている組織(転職希望先)への適応性が分かるといいです。例えば、自由な裁量のある仕事なのに指示されて動くタイプの人は選考の際に不利になります。転職した後にその組織に適応できるかということも観られているのです。

職務経歴書を書く上でよくある疑問に回答

職務経歴書は何枚くらい?

何枚に正解というのはなく、自分というものをどのように伝えたいのかということなので、1枚なら1枚でも私は良いと思います。ただし捉え方として、4枚とか5枚の職務経歴書を全部読もうとはしないという気持ちの問題です。
職務経歴書の構成要素としては、職務要約・経歴・職務内容や実績・スキルや資格・自己PR・志望動機。これさえおさえて自分をアピールできていれば良いと思います。

転職歴が多い場合はどのように書いたら良い?

転職歴が多いということは、分かりにくくなる確率が高いので、簡潔に記載する必要があると思います。転職の間が抜けてしまっているところは特に見るかもしれません。何か別の理由があるのではないか、計画性の無い人なのでは、などマイナスイメージにつながりやすいので、具体的に記載しておくと良いでしょう。

職務経歴書で合否って決まりますか?

職務経歴書によって、合否が決められてしまうことも書類選考がある会社によってはあるのかもしれませんが、私の場合は職務経歴書によって、その人の良さを引き出すことができる面接になるかどうかだと思っています。つまり面接官としては、質問もしやすくなるため、受ける側としても答えやすい質問が増えて、面接がいい展開になることが多いです。

まとめ

採用時の書類作成に限らずどこでも言われることですが、結論を明確にすることと数値化することがポイントです。この2点を意識してまとめていくことで分かりやすくなります。
困ったら「結論を最初に述べて、なぜそう言えるのかの理由を3つ程度に絞って、数値を用いて説明する」ことを意識してみてください。伝わりやすくなります。

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